民法とは 民法条文の構成はどうなっているの?

法律系資格において、もっとも重要な法律(科目)は民法です。民法はどんな法律家資格試験においても最重要科目になります。

例えば行政書士試験は行政法と並んで最重要科目に数えられますし、司法書士試験では民法含む民事系科目が全11科目中8科目を数えます。「民法が苦手=その資格はあきらめろ」となります。

そんな民法ってどんな法律なのでしょうか。

民法とは

民法とは私人間の権利義務を定めた法律です。英語で言えば”civil law”、一般市民の権利義務関係を定めたのが民法です。

市民間の法律を私法と言いますが、公的機関の関係を定めた法律を公法と言います。

私法の法体系

民法はこの私法の法体系上では一般法という位置づけになります。一般法とは基本法という意味合いです。

民法を一般的な取り決めがなされている他に、特定の分野に特化した特別法というものもあります。商法・会社法や不動産登記法、借地借家法、利息制限法等は民法の特別法にあたります。特別法は一般法に優先します。

また、民法や商法のような実定法(人によって定められた法)に対して実定法を実現する手続法というものがあります。民事系で言えば、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法などがあります。

民法の条文構成

民法は1条から1050条までとたくさんの条文が並んでおり、大きく分けて以下のジャンルに分かれています。。

  • 総則
  • 物権
  • 債権
  • 親族・相続

総則

民法条文の1条から174条までが総則という部分です。民法総則とは、私人の権利義務を取り決めた私法の基本部分を定めています。

権利義務の主体たり得る「人」「法人」、客体である「物(ぶつ)」についての取り決め、権利義務が発生する「法律行為」、そして「時効」と続きます。

物権

物権(ぶっけん)とは、所定の物を直接支配する権利を言います。次に出てくる債権とよく比較される物権ですが、いずれも財産権と言えますが、物権とは誰にでも主張できる絶対的な強い権利です。

この物権は176条から始まり、「占有権」「所有権」「担保物権(「抵当権」「留置権」他)と続き、398条の「根抵当」まで続きます。

債権

債権とは特定人に対してある要求をする権利を言います。債権者・債務者という用語は広く知れ渡っている用語ですが、債権者が債務者に特定の要求する、債務者が債権者に特定の義務を果たすと言う感じです。

399条から始まり、521条から契約について規定されています。民法には13種類の典型契約がありますがすべてここから規定されています。最後が「不法行為」となり、724条まで債権です。

親族・相続

そして最後は親族・相続です。親族法は家族に関する規定、遺産相続に関する規定が相続法です。

725条から始まり、「婚姻」「離婚」「親子」「親権」と続きます。親族法の最後は「扶養」で881条まで、882条から相続法です。

しばらくは相続が続き、「遺言」「遺留分」まで。

 

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